スーダン南部で展開中の国連平和維持活動(PKO)への自衛隊参加をめぐり、外務、防衛両省が水面下で激しい鍔迫り合いを演じている。五月のアフリカ開発会議(TICAD)、七月の北海道洞爺湖サミットで国際貢献の目玉が欲しい外務省がスーダン派遣を提起、これに防衛省が抵抗している構図だ。 外務官僚が描くのは、まず首都ハルツームにある国連スーダン派遣団(UNMIS)本部へ自衛隊連絡官を派遣して現地情勢を把握した上で、地雷除去などのため陸上自衛隊を現地に送るという計画。深刻な人道危機にある西部のダルフールと違い、UNMISが展開する南部は治安が比較的安定しており、非政府組織も活動中で、「自衛隊を出せない理由はない」(外務省筋)というわけだ。 しかし、防衛省は「現地へは陸路何時間もかかり、自己完結の復興支援は容易でない」(同省幹部)と及び腰。外務省の河相周夫・総合外交政策局長が防衛省の高見沢将林・防衛政策局長に直談判し、連絡官派遣までは了承を取り付けたが、事務方トップの増田好平事務次官は依然首を縦に振っていない。 陸自幹部は「得点稼ぎの外務省と、外務主導が気に入らない背広組(防衛省)の勝手な綱引き」と冷ややかだ。

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