夕食会冒頭には和太鼓の演奏もあった(右列中央が安倍首相、その右隣が副皇太子)(C)時事

 

 サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン副皇太子(31)が8月31日から9月2日までの3日間、来日した。訪日の目的は、脱石油依存の経済改革を進めるための、日本との経済提携の強化。サウジに原油の多くを頼る日本にとっても願ってもないことだった。

 ムハンマド副皇太子はサウジ王家の王位継承権第2位で、国防相と経済開発評議会議長を兼務する。

 昨年4月、サルマン国王は王位継承権第1位のムクリン皇太子を突然解任し、甥で副皇太子のムハンマド内相(57)を新たな皇太子に、それに次ぐ王位継承権第2位の副皇太子に、国王の息子ムハンマド国防相をあてた。この「2人のムハンマド」のうち、軍事と経済を握る後者の副皇太子が急速に存在感を強めている。

 サウジは長引く原油価格の低迷で2016年予算は財政赤字に陥る見込み。副皇太子は石油依存からの脱却のため、外資導入を目指す成長戦略「ビジョン2030」をまとめており、日本の産業界の投資や技術支援などの協力に期待する。日本の前に訪問した中国(8月29日~31日)でも、エネルギー分野など15の覚書を締結していた。

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