陸上自衛隊が「南スーダン国際平和協力業務の実施に関する自衛隊行動命令」によって「南スーダン共和国発展のための環境構築」に派遣され12月で5年となる。
 ところが、南スーダン政府軍と反政府勢力とが衝突を繰り返す情勢悪化に伴い、安保関連法で規定された「駆けつけ警護」について9月20日、「11月から派遣される部隊に任務付与し、地理的範囲を首都ジュバ周辺に制限する」、そして「当該部隊の訓練が開始された」ことが公にされた。いよいよ、自衛隊員が「その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で」(「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律」2015年9月30日公布)、武器を使用して「駆けつけ警護」を行うことになる。

「武器の使用を個人の判断に委ねる」

 これまで、陸上自衛隊の行動上の特性は、隊員個人ではなく部隊が主体であった。しかし、新たな規定は、いくつかの事態に臨んで「武器の使用を個人の判断に委ねる」とした。筆者には「合理的に必要」の姿が見えない(2015年10月13日「『軍事的合理性』を学ぶべし:『安保法案』成立の補完作業として」参照)のであるが、ともかくも、このため陸上自衛隊には、「判断」に関わる教育訓練の必要性が生じている。

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