この第2回会合で東電原発の統廃合プランが飛び出した。左列手前が東電HDの広瀬直己社長(C)時事

 

 東京電力福島第1原子力発電所事故(3.11)以降、世界的に退潮著しい原発ビジネス。その流れに逆行し、首相の安倍晋三(62)をはじめ官邸や経済産業省が主導してきた泥縄式の「原発維持」政策が崩壊に瀕している。福島の事故処理費用で東京電力ホールディングス(HD)は債務超過が目前に迫り、司法判断で原発再稼動を阻止された関西電力も、再度の赤字転落がチラつく。悲鳴を上げる両社に対し、経産省は企業の枠を越えた原発事業の切り離し・統合を画策するが、「東電、関電の“負の遺産”を押し付けられては堪らない」と他電力は及び腰。一方、東芝、日立製作所、三菱重工業の原発メーカー3社も、「単独では維持できない」として原発事業統合に動き始めた。「3.11」からやがて5年8カ月。官民ともに先行きを見誤ったツケを払わされている格好だ。

 

「霞が関発のシナリオ」に反発

「他の電力会社の原子力発電事業に関与・連携することは全く念頭にない」

 10月27日、東北電力社長の原田宏哉(60)は、仙台市の本社で開いた定例記者会見の席上でひときわ語気を強めてこう語った。

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