トランプ米次期大統領が当選後に最初に行った新聞インタビューは、「仇敵」とも言える、リベラル派のニューヨーク・タイムズ紙とのものだった。

 11月22日にニューヨーク・タイムズ紙の記者・コラムニスト・編集者たちの多くを集めて行われたインタビュー(音声の一部はこちらから)は翌日の紙面・ウェブサイトに掲載され、大きな注目を集めた。ここでトランプはリベラル派メディアとのとりあえずの「休戦」の意思を示したものと大まかには言えるが、そこでは中東政策について何が語られたのだろうか。 

 ニューヨーク・タイムズ紙はインタビューから14の要点を抽出してまとめているが、このまとめでは米内政上の関心事・争点が前面に出ており、中東政策について何が語られたかがあまり分からない。もし本当に「全く語られていない」というのであればそのこと自体に意味があるが、完全に語られていないわけではない。困ったことに、何かそれなりに重要なことが語られたようだが、肝心の部分が公開されていない。

娘婿を中東和平特使に?

 中東政策に関連するトランプの発言のうち、ニューヨーク・タイムズ紙のまとめが抜き出しているのは、次の二点である。

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