「Make America Great Again」という力強いスローガンによって米国民の心を捉え、勝利を掴んだトランプ。
 だが、彼の主張する一連の政策や人事は、米国を弱体化し、世界をさらに混乱に陥れる危険性があるという。
 大反響を集めたイベントレポートの第2回目をお届けする。

世界中で揺らぐ「民主主義」

田中 もう1点だけ選挙についてうかがってから、トランプ政権の話に移りたいと思います。

 10月に「クーリエ・ジャポン」さんの連載でも書かせていただきましたが、いま世界中でポピュリスト、ナショナリスト、国によってはデマゴーグが多くの支持を集めていて、民主主義が揺らいでいると感じています。
 しかも、その風潮に国民が失望して投票率が下がると、ますますそういう人たちが選挙で選ばれやすくなってしまいます。

 これは米大統領選でも危惧されていたことで、ブレグジット(英国のEU離脱)の例を見て、「二の舞はまずいから投票に行こう」ということが声高に叫ばれていました。しかし、結局、投票率は低いままに終わり、それがトランプを有利にしたという見方もあります。

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