5.レックス・W.ティラーソン国務長官(64)

 エクソンモービル会長兼CEOから国務長官に指名され、1月23日の上院外交委員会では賛成11票、反対10票の僅差で承認。そして2月1日の上院本会議において、賛成56票、反対43票と、これまた僅差で承認を受け、正式に就任した。43もの反対票は、歴代の国務長官としては史上最多である。ちなみに、前任の民主党ジョン・ケリー氏は反対3票、さらにその前任ヒラリー・クリントン氏はわずか2票だった。

 トランプ大統領は米ロ関係の修復に前向きであり、ロシアで積極的に事業展開を行ってきたエクソンモービル首脳を国務長官に起用することで、トランプ政権下の対ロシア外交は改善に向けて進展する可能性が指摘されている。ティラーソン氏は、対ロシア経済制裁措置を長期的に発動し続けることは米国企業のビジネスに打撃になる、との見解を上院外交委員会での指名承認公聴会で明らかにしていた。

 

 1990年代からエクソンモービルのロシア・サハリン州での油田・天然ガス田開発プロジェクトで、生産プラントやパイプラインの建設に深く関与してきた。世界中の企業幹部の中でウラジーミル・プーチン大統領と最も懇意な関係を築いている企業経営者として知られており、2013年にロシア政府はティラーソン氏に対して「友好勲章」を授与している。

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