特別検察官のトップとして、朴槿恵大統領を追い詰める朴英洙弁護士 (c)EPA=時事

 第2の渦は、特別検察官の捜査の行方だ。韓国国会は昨年11月17日、政府から独立した「特別検察官」による捜査を行う特別法案を可決した。同22日の閣議で元ソウル高検長を務めた朴英洙(パク・ヨンス)弁護士をトップとする特別検察官が設置された。特別検察官の活動は準備期間20日、活動期間70日で、30日間延長できる。最初の活動期間の満了は2月28日だ。30日間の延長は黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行の承認が必要になる。黄教安代行が延長を承認するかどうかは明確でないため、特別検察官は2月28日を目標に捜査を行っている。

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 特別検察官が最も力を入れたのは、崔順実(チェ・スンシル)被告が財閥グループに対し、自身が影響力を持つ2つの財団に774億ウォン(約76億円)の資金を拠出させた問題で、財閥が提供した資金が、大統領の権限による対価を期待した賄賂の性格があることを立証することだった。中でも力を入れたのは、最も多額の資金を提供した韓国の最大財閥・サムスングループへの捜査だった。

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