「シンゾー・ドナルド」は最高のパートナーシップを保てるか (c)AFP=時事

 大統領就任後初めての安倍・トランプ会談が成功裏に終わった。ゴルフ外交で培われた個人的な信頼関係が今回の最大の成果だったが、本稿ではシンゾー・ドナルド関係が今後の国際政治に与えるインパクトについて考えたい。

安定した政治状況が安定した外交を生む

「箱日程」という外務省用語がある。総理、外務大臣の外交日程を整理するための長方形のマスで、イベントやその開始・終了予定時刻などが書き込めるようになっている。

 国際会議に日本の総理が出席する場合、まず確定しなければならないのが同盟国アメリカの大統領との会談だ。しかし、この外交の軸となるべき日米首脳会談を国際会議で設定するのに困難を伴ったのが、1年おきに首相が交代した「決められない政治」の時代だった。アメリカにとってのアジア太平洋における最重要同盟国とはいえ、いつ辞任するかわからない日本の首相と頻繁に会談するほど暇ではない、というのがアメリカ側の偽らざる本音だった。日本側はアメリカ大統領との会談設定といういわば日程闘争に多くの外交リソースを奪われ、首脳会談の中身(外務省ではサブという)に集中し切れないという状況が続いていた。外交は内政の延長線上にあるといわれるが、これなどは国内政治の不安定さが外交に悪影響を与えた例といえよう。

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