昨年11月には「日印原子力協定」に調印したばかりだが(C)時事

 

 東芝の米原子力子会社ウエスチングハウス(WH)の再建問題で、同社による米連邦破産法第11条(チャプター・イレブン)の適用申請が現実味を帯びてきた。WHが経営破たんという事態になれば、同社がインドで進めている原子力発電所建設計画に影響を与えるのは必至。東芝は今日(14日)、1カ月前に延期していた決算会見を行う予定だったが、WHの内部統制問題を調査している監査法人の承認を得られなかったため再延期した。インドの原発開発計画が抱える未解決の問題点が再び注目される可能性が出てきた。

原発のフロンティア市場

 インドは1960年代から、国際的な核管理の枠組み外でほぼ独力の原発開発を進め、現在国内には21基、総発電能力578万キロワットの原発を有する。さらに、ラジャスタン原発7、8号機(各70万キロワット)やカクラパル原発3、4号機(同)など計380万キロワット分が建設中。ジテンドラ・シン首相府担当国務相(内閣官房長官に相当)は昨年3月の国会答弁で、2019年までにインドの原発発電能力が1008万キロワットに拡充されるとの見通しを示した。ちなみに、先進国では100万キロワットの発電でおおむね人口100万人規模の大都市の需要をまかなえるとされる。

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