投票はのどかな雰囲気のなか行われた(筆者撮影)

 

 ジャカルタ州知事選挙の決選投票が4月19日に実施された。2月15日に行われた第1回投票で得票1位となった現職正副知事のバスキ・チャハヤ・プルナマ(通称アホック)とジャロット・サイフル・ヒダヤットの正副知事候補と、得票2位だったアニス・バスウェダンとサンディアガ・ウノの正副知事候補が接戦を繰り広げた。選挙戦最終盤に発表された世論調査でも両者の支持率が拮抗するなど、最後まで予断を許さない展開となった【第1回投票については、2017年3月16日「インドネシア『イスラム教急進化』の実相(上)『大苦戦』したジャカルタ州知事」2017年3月18日「インドネシア『イスラム教急進化』の実相(下)『保守派』を抑えたジョコウィ政権」参照】。

 選管にあたるジャカルタ州総選挙委員会から間もなく公式の投票結果が発表される見込みだが、投票直後から各種メディアと世論調査会社が実施した出口調査や開票速報では、アニス=サンディアガ組が、アホック=ジャロット組を得票率で15%以上引き離していることが判明している。これをうけ、アニス候補は投票が締め切られた2時間後には早々に勝利宣言を行った。一方、アホック候補も当日夕方には敗北を認める記者会見を開いた。接戦となっていれば選挙結果の正当性をめぐって混乱が起きる可能性もあったが、予想以上に大差がついたため、10月末には混乱なく州知事のポストが引き継がれそうである。

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