国連安保理の、北朝鮮に関する閣僚級会合で発言する中国・王毅外相 (c)AFP=時事

 朝鮮半島情勢は、金日成(キム・イルソン)主席誕生105周年、人民軍創建85周年を迎えた北朝鮮が、6回目の核実験やICBM発射実験といった、限度を超えた挑発に出るのではないかという憂慮が高まり、国際社会の関心を引いた。この「憂慮」の原因をつくっているもう1つのファクターが、トランプ米大統領だ。何をするか分からないトランプ大統領が北朝鮮への軍事行動を取るのではないかという懸念が広がった。常識的には、朝鮮半島での軍事行動は一気に全面戦争に拡大する危険性が高く、その場合は韓国や日本が大きな被害を受けるために、あり得ないシナリオだ。しかし、米朝両首脳とも予測が難しい指導者だけに、「まさか?」が「もし?」に変わり、偶発的な衝突が思わぬ衝突に拡大する危険性が潜在している。

北朝鮮政策が米国の優先課題に

 とりあえず「4月危機」は何事もなく過ぎたが、北朝鮮は核やミサイルによる挑発を止める姿勢を見せず、米原子力空母カール・ビンソンや米原子力潜水艦ミシガンが朝鮮半島周辺に配置され、軍事的に厳しい対峙が続いている。このままでは「4月危機」が「5月危機」に連動していく可能性が高いとみられた。

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