カジノで沸くマカオにとうとう来たお達し

執筆者:日暮高則2008年6月号

 中国マカオ特別行政区の何厚カ行政長官は四月二十二日、「中央政府の胡錦濤国家主席の指示により、今後、新しい賭博業者の参入は認めないし、既存の業者にも新規に賭博場を開かせない」と宣言した。マカオは現在、ギャンブルバブル状態にあり、昨年一年間だけで経済成長率二七・三%を記録した。 何行政長官は「マカオの未来には、持続的、協調的な発展が必要である。現在域内では六業者が営業し、すでに賭博業は飽和状態にある。民間各団体も特別区政府の方針を支持している」と指摘した。そして、相当長期間にわたって新規参入、新規開設は認めないとの方針を示した上で、「これは中央政府の考え方であり、指示でもある」という点を再三強調したという。 マカオには現在、「リスボア」などのカジノをポルトガルから中国へのマカオ返還前から運営していたスタンレー・ホー氏やその一族の企業ほか、返還後に参入した米ラスベガス系の企業サンズグループなど六業者が二十九の賭博場を開設。これでも不十分なのか、今なお一部で増設が進められている。二〇〇三年に大陸住民の個人旅行が解禁されたため、主に大陸の公的機関幹部や富裕業者が来訪し、カジノに興じ、金を落としている。

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