1年前に平野氏(左)からバトンを引き継いだばかりだった小山田氏(C)時事

 

「調子が悪いという噂は聞いていたが、まさかこのタイミングで辞任するとは思いもよらなかった」と、三菱東京UFJ銀行の中堅幹部は、ショックを露わにした。

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は5月24日、傘下の三菱東京UFJ銀行の小山田隆頭取が退任し、後任に三毛兼承副頭取を昇格させる人事を発表した。小山田氏は2016年4月に頭取に就任してから、まだ1年余り。しかも、全国銀行協会(全銀協)会長にはつい先月(2017年4月)就任したばかりだった。なかんずく、辞任発表6日前の5月18日には、その全銀協会長として定例会見を、通常通りにこなしていた。会見に出ていた記者たちも、とくに小山田氏に体調の変化があるとは感じていなかった。

 金融界に衝撃が走ったこの突然の辞任劇。順風満帆のはずだった小山田氏は何故、このタイミングで辞任したのか。同日に記者会見した三菱UFJFGの平野信行社長は、「本人からの強い申し出があった。誠に残念だが、健康上の理由でやむを得ない」と語った。しかし、プライベートなこととして、具体的な病名などは明らかにしなかった。

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