連邦下院ジョージア州第6区補欠選挙で、僅差で勝利して共和党の牙城を守ったカレン・ハンデル氏 (C)EPA=時事

 

 6月20日、非常に重要な2つの連邦下院議員補欠選挙が実施された。南部のジョージア州第6区と、サウスカロライナ州第5区である。ジョージア州第6区は、トランプ政権で保健福祉長官に就任したために下院議員を辞任したトム・プライス氏の選挙区であった。またサウスカロライナ州第5区は、行政管理予算局(OMB)局長に就任して下院議員を辞任したミック・マルベニー氏の選挙区であった。

 プライス氏は下院議員在職当時から、オバマ政権が成立させた医療保険制度改革関連法(通称オバマケア)の撤廃を求めていた共和党下院議員の急先鋒であり、政界入りする前は医師であった。マルベニー氏も、保守派の共和党下院議員から構成される議員連盟「フリーダム・コーカス(Freedom Caucus)」の創設者の1人であり、「小さな政府」の実現を求める財政保守派として知られていた。いずれも、共和党の牙城のような選挙区であった。

注目されたジョージア州第6区

 ところが、今回の2つの補欠選挙は様相が違った。長年、共和党の勢力が強固だったはずの選挙区で、共和党系有権者がドナルド・トランプ大統領に離反し、野党・民主党候補が番狂わせを起こす可能性が指摘されており、民主党がトランプ政権下で初めて下院の議席を与党・共和党から奪還できるのか最も注目されていたのである。

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