ロシアの「実力不足」でさらに深まる朝鮮半島の「混迷」
2017年7月19日
大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験など深刻化する北朝鮮の挑発行為に対して、ロシアが北朝鮮擁護の姿勢を強め、日米韓の共同圧力を妨害している。ロシアは北朝鮮問題で中国と共同声明を出し、米韓合同軍事演習の凍結を提案。中国の貿易規制を肩代わりするかのように、北朝鮮との経済関係を拡大する。ロシアが進める妨害外交は、世界的に展開する反米外交の一環ながら、「実力不足」も目に付く。中露間でも、対北朝鮮政策で微妙な温度差があるようだ。
「ICBMは中距離」
北朝鮮は7月4日、ICBM「火星14」の発射実験に成功したと発表。米政府も飛行時間や落下地点などから推測して、射程距離が5500キロを超えるICBMだったと判断したが、ロシア国防省は同日、高度は535キロで、約510キロ飛行したとし、「飛行データは中距離弾道ミサイルの戦術的・技術的特徴に一致する」とし、中距離ミサイルだったと強調した。ロシアはこの分析を国連安保理でも主張し、米国の対北追加制裁に反対している。米側は、ミサイルは高度2800キロまで到達したとしているが、ロシアは535キロとしており、両国の推計が真っ向から対立した。
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