26.アンソニー・スカラムッチ広報部長(53)

 

 ロシア政府による2016年米国大統領選挙への介入にトランプ陣営が共謀していたのではないか、との「ロシアゲート」疑惑に対するメディアの追及が益々強まる中、ホワイトハウスの広報活動強化の一環として、トランプ大統領が7月21日に「広報部長」に指名した。広報活動の経験が全くないにもかかわらず広報部長に指名することに対し、ショーン・スパイサー大統領報道官がトランプ大統領に猛烈に抗議したものの受け入れられず、同ポストを即座に辞任した。

 広報部長起用を積極的に支持したのは、トランプ大統領の長女イヴァンカ・トランプ大統領補佐官と娘婿のジャレッド・クシュナー大統領上級顧問の夫妻である。とりわけ、自身がロシアゲート疑惑に関与していたとの『CNN』の報道を誤報と認めさせ、CNNの記者3名を辞職に追い込んだことが、トランプ大統領やクシュナー夫妻から高く評価されたと見られている。対照的に、共和党全国委員会(RNC)委員長時代から、メディア担当のスパイサー氏とともに二人三脚で取り組んできたラインス・プリーバス大統領首席補佐官や、スティーブ・バノン首席ストラテジスト兼大統領上級顧問の2人は、スパイサー氏とともにスカラムッチ氏の広報部長起用に反対していたが、2人の意見もトランプ大統領には受け入れられなかった。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。