病状は多方面に大きな影響を与えることになる(C)AFP=時事

 

 2008年共和党大統領候補であり、現在は上院軍事委員会の委員長職にある共和党重鎮のジョン・マケイン上院議員(アリゾナ州選出)が、脳腫瘍を患っていることが明らかになった。マケイン氏は7月14日に頭部の血栓を除去するための手術を受けたが、その後の検査で脳腫瘍と診断された。マケイン氏が脳腫瘍と診断されたニュースは、与党・共和党関係者だけでなく、野党・民主党関係者にも大きな衝撃を与えており、2008年大統領選挙でホワイトハウスを争ったバラク・オバマ前大統領も、マケイン氏の回復を祈るメッセージを表明している。

ベトナム戦争の英雄

 現在80歳のマケイン氏は、ベトナム戦争に米海軍のパイロットとして従軍。自らが操縦する戦闘機が北ベトナム軍により撃墜され、北ベトナム(当時)の首都ハノイの通称「ハノイ・ヒルトン」で、5年以上の捕虜生活を送った経歴を持つ英雄である。連邦下院議員を経て、1986年中間選挙でのアリゾナ州選出連邦上院議員選挙に出馬して当選。1964年の共和党大統領候補だった保守政治家バリー・ゴールドウォーター上院議員(当時、故人)の後継として、翌1987年1月から上院議員に在任している。2016年11月に行われた上院議員選挙で6選を果たしたばかりで、今年、上院議員在任31年目を迎えた大ベテランである。

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