小池都知事はマクロン大統領のように国政に躍り出るか (C)時事

 

 筆者はフランスの政治を専門としているので、このところ何度もメディアの人から同じ質問を受ける。「小池百合子東京都知事とエマニュエル・マクロン仏大統領は似ていますか」と。フランスではマクロン氏が5月に大統領に選出後、6月の総選挙で大勝したころ、日本では小池都知事主導の「都民ファーストの会」が都議会選挙で大勝しそうな勢いになったころからである。

 どうも小池都知事ご本人が、自分はマクロンと政治スタイルが似ている、という趣旨のことを言っているようだ。実際に『文藝春秋』7月号の手記では、ご本人がマクロンとの近似性について触れている。小池知事と直接話した某大手テレビのニュースキャスターに聞くと、そうした発言の先には、ご自分もマクロンと同様に日本のトップリーダー、つまり首相になれるはずだという気持ちが秘められているという。

 国民の直接投票によって選出されるフランス大統領と、国会議員の中から多数派政党の党首が国会の選出で首相になる日本とでは、もともと政治制度が違う。少しばかり似た現象が起こったからと言って、次に同じような事態が続くと考えるのは、あまりに短絡である。

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