内閣改造までの1週間も持ちこたえられなかった(C)AFP=時事

 

 安倍晋三政権が窮地に立っている。女性閣僚とチルドレンたちの失言や不祥事、森友学園問題に次ぐ加計学園問題への対処の拙さなど、原因を挙げていけばキリがない。根っこにあるのは、民意の変化、つまり人心が倦んでしまったことにある。態勢の立て直しは厳しいといわざるを得ないが、安倍首相が去った後で日本に残るのは何だろうか。

第1次政権の歴史は繰り返すのか

「THISイズ敗因」。中谷元元防衛相の発言が冴えわたっている。暴行疑惑の豊田真由子衆院議員(T)、加計学園関連極秘文書疑惑の萩生田光一官房副長官(H)、数々の失言問題の稲田朋美防衛相(I)、加計学園からのヤミ献金疑惑の下村博文都連会長(当時=S)。3年半の雌伏を強いられていた反安倍勢力を勢いづかせたばかりでなく、安倍首相を支持していた民意も離反させることになった。

 内閣支持率の急落が目立ったのは6月半ばの世論調査から。6月、7月と内閣支持率は10ポイントずつ急落し、支持率が3割を下回る調査結果も増えてきた。不支持率は概ね5割を上回る。いったん嫌いになった人の気持ちを元に戻すのは難しいから、8月3日の内閣改造をもってしても政権の浮揚は困難だろう。

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