5月3日、憲法改正推進派のフォーラムに寄せたビデオメッセージで、改憲について語る安倍晋三首相 (C)時事

 

 本年5月3日の憲法記念日、安倍晋三首相は憲法改正に関する2つのメッセージを発表した。1つは、憲法改正を求める集会「第19回公開憲法フォーラム」へのビデオメッセージで、もう1つは同日付『読売新聞』朝刊に掲載された、憲法についてのインタビュー記事だ。

 これらの中で最も重要なのは、憲法9条についての主張である。安倍首相は「『9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む』という考え方、これは国民的な議論に値するのだろう」(ビデオ)、「9条については、平和主義の理念はこれからも堅持していく。そこで例えば、1項、2項をそのまま残し、その上で自衛隊の記述を書き加える。そういう考え方もある」(『読売』)と言う。つまり従来の「9条改憲」ではなく「9条加憲」を提案したのだ。

 その理由として安倍首相は、今や国民の9割が自衛隊を信頼しているにもかかわらず、多くの憲法学者や政党がいまだに「自衛隊違憲」を議論しているという状況で、自衛隊に「命を張って守ってくれ」というのはあまりにも無責任だ、ということを挙げている。

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