オイルマネーを国防予算増に注ぎ込むロシアが、新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)搭載の新原潜「アレクサンドル・ネフスキー」の建造を急ピッチで進めており、来年太平洋艦隊に配備される予定だ。 北方艦隊に配備した第四世代原潜「ユーリー・ドルゴルーキー」に次ぐ二番艦で、カムチャツカ半島のペトロパブロフスク・カムチャツキー港付近の新基地が母港になる。タス通信によれば、現在、新型原潜用の部隊編成や訓練がカムチャツカの海軍基地で行なわれている。 ロシアは太平洋艦隊の本拠地であるウラジオストクを貿易経済都市にする一方、カムチャツカを対米核戦略の前線基地に特化させたい意向だ。「アレクサンドル・ネフスキー」は十発の多弾頭を持つ射程八千キロの新型SLBM「ブラワM」を十二基搭載。米国ミサイル防衛網の突破が可能とされる。米第七艦隊は警戒を強めており、配備後は海上自衛隊のイージス艦に監視を求めてくる見通し。 一方で、日本は一隻当たり八億円のロシア退役原潜解体協力事業を続けており、これまでに六隻の解体と計四十八億円の資金提供を表明。G8最大の債務国が財政黒字国・ロシアを支援する無駄なプロジェクトだ。 来年配備される新型原潜も、三十年間日本が監視した後、退役後は日本が原子炉解体に協力――ということにでもなったら、笑えないジョークだ。

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