“偽装留学生”をひた隠す『日経』欺瞞の大罪

執筆者:出井康博2017年8月7日
留学生の就労問題を取り上げた7月21日の「日本経済新聞」1面

 

 「日本で働く外国人が100万人を突破」というニュースが今年初めに報じられて以降、外国人労働者に関する報道も増えてきた。だが、本連載で繰り返し問題にしている出稼ぎ目的の“偽装留学生”に関しては、新聞やテレビではほとんど取り上げられない。

「フェイクニュース」

 国内の外国人労働者のうち、約2割は留学生のアルバイトだ。その相当数が“偽装留学生”であることは間違いない。正確な数を割り出すことは難しいが、留学生全体の少なくとも半数近くに上ると筆者は見ている。

 彼らは、日本人のみならず他の外国人労働者すら不足する、最底辺の現場で働いている。そうした“偽装留学生”の労働力なしには、私たちが当たり前のように享受している便利で安価な生活は、もはや成り立たない。

 にもかかわらず、新聞では“偽装留学生”など存在しないかのような報道すら目立つ。7月下旬から『日本経済新聞』が朝刊1面で始めた連載「外国人材と拓く」で、留学生の就職問題を取り上げた第3回(7月21日付)は、こんな文章で始まる。

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