何の変哲もない無機質なビル。ここに世界を震撼させるソフトウェア「Tor」の本部が(筆者撮影)

 

 私たちが日常的に使うインターネットには、普通ではアクセスすることのできない闇の世界が存在することをご存知だろうか。

 その世界は「ダーク・ウェブ」と呼ばれる。日本語にすると「闇ウェブ」と訳されるが、ダーク・ウェブとは、私たちが普段使うインターネットのグーグル検索などではたどり着けない特殊なウェブサイトを指す。ダーク・ウェブにアクセスするには、インターネットを匿名で利用できるソフトを使って巨大なダーク・ネット(地下ネットワーク)に接続する必要があるのだが、逆を言えば、そのソフトさえ使えば誰でもその世界に足を踏み入れることができる。

 完全に匿名で利用できるダーク・ウェブでは、麻薬密売から武器密売、偽IDやサイバー攻撃用ツールなど違法なものも売買されている。もちろん、支払いも全て匿名通貨のビットコインで行われる。

 最近、そんなダーク・ウェブで大規模なサイバー犯罪の摘発が行われた。日本ではあまり報じられていないが、世界ではIT関係者を中心に大きな話題になっている。

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