互いに批判し合うトランプ大統領とミッチ・マコネル共和党上院院内総務(右) (C)AFP=時事

 

 ドナルド・トランプ大統領はミサイル発射を繰り返す北朝鮮に対する強硬発言を続けており、8月8日には、世界がかつて目にしたことのないような「炎と怒り(fire and fury)」に直面することになると同国に強く警告した。これに対して北朝鮮が、8月中旬までに中距離弾道ミサイル4発を、米領グアム島周辺に向けて発射する計画を策定すると明らかにした。これを受け、トランプ大統領は「炎と怒り」発言では厳しさが足りなかったとの認識を新たに示すなど、米朝間のレトリックはその激しさをさらに増しつつある。直後に北朝鮮は「米国の出方を見守る」とやや緊張緩和と受け取れるかのような対応も見せているが、いずれにしろ、現在、国際社会の関心は米朝関係の行方に注がれている。

職を辞するべき

 こうした外交面での展開と比較して目立ちはしないが、内政面での進展が見られない不満をぶちまけるかのように、トランプ大統領は議会共和党指導部のミッチ・マコネル共和党上院院内総務(ケンタッキー州選出)に対する批判姿勢を鮮明にしつつある。
 大統領は医療保険制度改革関連法(通称オバマケア)の見直しが膠着状況に陥る中、米議会に対する不満を益々募らせており、オバマケアを撤廃・置き換えするまで、議員は夏季休会でワシントンを離れて地元選挙区に戻るべきではない、と訴えていた。そうしたトランプ大統領の不満はさらにエスカレートし、批判の矛先はマコネル氏に向けられた。オバマケアの撤廃、置き換えが不可能な場合、マコネル氏は共和党上院院内総務の職を辞するべき、との見解を8月8日に明らかにしたのである。さらに続けて2日後の8月10日にも、トランプ大統領はツイッター上に、「オバマケアの廃止と置き換えを過去7年間叫んでいたミッチ・マコネルがその訴えを実現できなかったことを信じられるか。オバマケアの撤廃と置き換えは行わなければならない!(Can you believe that Mitch McConnell, who has screamed Repeal & Replace for 7 years, couldn't get it done. Must Repeal & Replace ObamaCare!)」と書き込んでいる。

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