「日韓核武装」はあり得る選択肢なのか

執筆者:伊藤俊幸2017年9月11日
8月29日、中距離弾道ミサイル「火星12」の発射を見上げる金正恩党委員長。傍らのディスプレイには予定の軌道が写っているが……[8月30日の朝鮮中央通信電子版より](C)時事

 

 8月29日の、日本列島越えのミサイル発射。9月3日、6回目の核実験。こうした北朝鮮の一連の行動は世界、とりわけ日米韓3国に大きな影響を及ぼした。中でも顕著なのが、「日本・韓国独自核武装論」に対する関心の急速な高まりだ。

 たとえばキッシンジャー元国務長官は、8月12日付『ウォールストリート・ジャーナル』に寄稿した論文で、「北朝鮮の核の脅威が強まると、日本や韓国、ベトナムなどの諸国が自国の防衛に核兵器を盛り込もうとするインセンティブが劇的に高まる」と主張。なし崩し的に核保有が広まることへの警告を発している。

 また9月2日付『産経新聞』では、米国シンクタンク研究員の「場合によっては日韓の核武装も容認し、局地的な軍事衝突も辞さない構えで今後十数年にわたって北朝鮮の『封じ込め』を図るべきだ」という発言を取り上げるなど、米国内の一部に浮上し始めた「日韓核武装」容認を紹介している。

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