9月11日、対北朝鮮制裁の採択後に握手を交わす、別所浩郎国連大使(中央左)とヘイリー米国連大使 (C)AFP=時事

 

 米国は9月6日、「最強の制裁」(ヘイリー国連大使)と自称する制裁決議原案を国連安全保障理事会のメンバー国に提示した。それは(1)北朝鮮への原油、石油精製品、天然ガスの輸出禁止(2)北朝鮮からの繊維製品の輸出禁止(3)北朝鮮労働者の就労許可を原則禁止(4)金正恩(キム・ジョンウン)党委員長らの資産凍結・渡航禁止の対象に追加指定(5)朝鮮労働党、北朝鮮政府、高麗航空などの資産凍結(6)安保理の制裁委員会が指定した北朝鮮関連の貨物船舶に対する公海上での検査許可――などであった。

 この原案に基づく採択は、周知の通りすでに9月11日、行われた。結果についての論評は後述するとして、まずはこの原案の分析を続ける。

 国連安保理が今年8月に採決した制裁決議第2371号では、北朝鮮の石炭、鉄・鉄鉱石、鉛・方鉛鉱、海産物の輸出を全面的に禁止した。この4品目で北朝鮮の輸出総額約30億円の3分の1に当たる約10億円分の輸出ができなくなり、外貨獲得が減少する。この制裁が始まってまだ1カ月であり、北朝鮮が外貨不足で打撃を受けるまでにはまだ時間がかかる。

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