他人事でない「心臓突然死」と「AED」の効用

執筆者:医療ガバナンス学会2017年9月15日
「減らせ突然死プロジェクト」のHP

 

【筆者:濱木珠恵・ナビタスクリニック新宿院長

 これまで診察室で出合う病気について紹介してきましたが(『MRIC』バックナンバー)、今回は、診察室の外での私の活動の一部として、AED(Automated External Defibrillator=自動体外式除細動器)のことについてご紹介したいと思います。

サッカー元日本代表の突然死

 最近、日常的にジムに通ったりランニングをしたりする人が増えています。青少年向けのスポーツ教育も盛んに行われており、学校やクラブチームでの活動も熱心に行われています。しかし一部の人においては、運動が生命リスクに関わる問題となることに対して、関心がまだまだ低いと感じています。

 今年の7月21日、新潟県の高校野球部の女子マネージャーがランニング直後に倒れて意識不明の重体となり、8月5日に亡くなったという事故がありました。心室細動という不整脈による「心臓突然死」と言われています。ピンと来ないかもしれませんが、一見健康そうな10代20代の若者であっても、突然心臓が止まってしまうことは珍しいことではありません。

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