ハンガリーの「元移民」から見た「ドイツ総選挙」の影響

執筆者:医療ガバナンス学会2017年9月26日
4選は決めたが……(C)AFP=時事

 

【筆者:吉田いづみ・Semmelweis(センメルワイス)大学医学部生】

 私はハンガリーで医学を学んでいる学生だ。私が通うセンメルワイス大学にはハンガリー語、英語、そしてドイツ語コースがある。ドイツ語コースがあるため、多くのドイツ人が在籍している。そして先日、ドイツで総選挙が行われた(9月24日投開票)。結果はメルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が全体の33.0%の票を得て第1党となり、アンゲラ・メルケル首相の4選が決まった。

 しかし、今回の選挙結果について、ドイツの地元紙では「メルケル首相率いる連立与党にとって、第2次世界大戦以降最悪の結果」と報じている。

難民政策に猛反対

  私の大学の友人の多くはルーマニア、特にトランシルヴァニア出身の両親を持つ。トランシルヴァニアは11世紀にハンガリー王国に併合されて以降、一時期ドイツやオーストリア領の時代もあったが、第1次世界大戦後の1920年までハンガリー王国領であり、ハンガリー語を第1言語としていた。小説や映画で知られるドラキュラ=ヴァンパイアの出身地としても有名だ。

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