「マクロン大統領」の150日(上)独断専行の「革命」に批判噴出
2017年10月4日
今春から夏にかけて吹き荒れた「マクロン旋風」に、早くも陰りが見えてきた。5月に誕生したエマニュエル・マクロン大統領の矢継ぎ早の改革に国民は翻弄されている。「革命」と豪語した39歳の青年大統領の政局運営の実情を検証する。
地方自治体の不満
9月24 日の仏上院選挙で、マクロン大統領の率いる「共和国前進(LREM)」は改選時よりも後退、勢力拡大とはならなかった。他方で、野党保守派の「共和党」は上院における第 1 党の地位を維持した。上院議員は国民議会(下院)議員と 地方議員による間接選挙で選出され、3年毎に半数(総議席数348)が改選される。共和党・右翼諸派の議席数は171(共和党149)で、改選前の142を上回ったが、LREMは改選前の29から24に後退した。
マクロン大統領は、国民投票に訴えない形での憲法改正に必要な、両院議員総数の5分の3の議席を得るために、40程度の議席を得て、ほかの政党の議員を切り崩す目算だったが、それには及ばない結果となった(国民議会議席では577中、「民主運動」と併せて350)。
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