政治的に悪用され始めた、世界を席巻するモンスターSNS (C)AFP=時事

 

 いま世界的に最も使われているSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)といえば、アメリカの『フェイスブック』だ。

 フェイスブックのアクティブユーザー(実際の利用者数)は月に20億5000万人。2位の『YouTube』が15億人ほどで、ツイッターが3億2800万人であることを考えると、フェイスブックの利用者がダントツで多いことが分かる。

 そんなフェイスブックについて、『ニューヨーク・タイムズ』は9月21日、ある小説の一文を引用してこんなふうに描写した。

「不変の悪を生み出してしまった……そして毎日、作り出してしまったモンスターが何か新たな悪事を働くのではないかと怯えて暮らしている」

 英小説家メアリー・シェリーによる『フランケンシュタイン』からの引用だが、物語の中で主人公の科学者ヴィクター・フランケンシュタインは、自分でコントロールできないモンスターを作り上げてしまったことをそう嘆いたのだった。

 フェイスブックが「フランケンシュタイン」と同じだとは穏やかな話ではないが、実はこの描写はいまフェイスブックが直面している状況を如実に表している。というのも、フェイスブックはいま、その利便性が自分たちの思わぬ形で悪用され、批判の矢面に立たされているからだ。そしてこの話は、10月22日に衆議院議員選挙を控える日本にとっても決して他人事ではない。

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