生き生きとした表情の習近平氏と比べ、どこか表情が冴えない胡錦涛氏(左)と江沢民氏(右)(C)AFP=時事

 

 10月18日から24日まで、中国共産党第19回党大会が大々的に開催され、各国のメディアも大きく報道した。最終日の24日に、向こう5年間の習近平政権2期目の指導部を構成する次期中央委員を選出し、習派が最大派閥になった。党規約に「毛沢東思想」に並ぶ「習近平思想」が盛り込まれた。同大会は、習氏による習氏のための大会だったのだ。

 翌25日には第19期第1回中央委員会が開かれ、向こう5年間の最高指導部(政治局員)人事も決まった。残りの国家の役職は、来年3月の全国人民代表大会(日本の国会に相当)で決まる予定だ。

 党大会での習総書記(国家主席、64)の政治報告は3万字に及ぶ膨大なもので、読み上げるだけでも3時間20分の長いものだった。両脇に座った江沢民氏と胡錦濤氏という、先代、先々代の最高指導者の顔色は優れなかった。顔色が良かったのは習氏1人で、習「1強」時代の到来を告げる長い演説だった。胡錦濤氏が報告後の習氏に腕時計を指して、その長さを指摘するほどのものだった。

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