共和党有力議員でありながら大統領に反旗を翻したコーカー氏(左)、フレイク氏(C)AFP=時事

 

【ワシントン発】 ドナルド・トランプ大統領と与党・共和党のジェフ・フレイク上院議員(アリゾナ州選出)の確執については、以前の拙稿でも取り上げた(「共和党の『反発』を招きかねないトランプ大統領の『フレイク上院議員攻撃』」2017年8月30日)。

 フレイク氏が10月24日、米議会上院本会議において行った演説で、「トランプ大統領就任後、共和党は変質してしまい、もはや支持することができない」と述べ、さらに、「トランプ氏の一連の行動は、民主主義にとって危険な存在である」と厳しく批判。現在の任期を全うして改選期を迎える2018年中間選挙には再選のための出馬をしない方針を明らかにし、大統領のホワイトハウスにおける存在そのものが国家に打撃を与えているとの見解を示した。大統領と対決するかたちでフレイク氏が不出馬を決断したことは、トランプ政権と共和党との亀裂の深さを示す展開として、与野党に大きな衝撃を与えている。

野党からも惜しむ声

 2012年大統領選挙で、共和党大統領候補であったミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事が敗北した後、2013年1月に召集された第113議会で、「包括的移民法改正法案」の可決を目指す超党派の議員で構成された「8人組(Gang of Eight)」に、フレイク氏は名を連ねていた。彼はメキシコと国境を接するアリゾナ州の選出でありながら、同州選出のジョン・マケイン上院議員とともに、米国内に不法に滞在し続けている移民に対しても市民権を付与する方策を模索することに取り組んだ、移民政策に寛容な共和党政治家の1人である。また、オバマ前政権下では、キューバとの関係正常化の必要性も訴えていた。

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