11月6日、東京・元赤坂の迎賓館内を歩くトランプ大統領(左)と安倍首相。主客逆転? (C)時事

 

 11月5日から2泊3日の日程で行われた、トランプ大統領の初めての日本訪問は、成功裏に終わったと言えよう。一言で表現すれば、シンゾー「押し掛け」からドナルド「押し掛け」への転換が鮮明となった3日間だった。安倍晋三首相が秋波を送ることで始まった「シンゾー・ドナルド関係」は、今では逆に、トランプ大統領が前のめりになり進めているように見える。それは2人の関係においても、これから進めようとする世界戦略においても同様だ。

最初は安倍「押し掛け」から

 筆者は今年2月の安倍総理訪米の際、「シンゾー・ドナルド関係」という語を用いて論評したが(2017年2月23日「『シンゾー・ドナルド関係』は国際政治にどんなインパクトを与えるのか」)、2人の関係は当初安倍からの「押し掛け」で始まっていたことが、奇しくもトランプの口から明らかにされた。

 2016年11月17日、大統領選挙での勝利を手にしたばかりのトランプのもとを、安倍は訪ねた。場所はニューヨークのトランプタワー。

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