隣同士で親しげに食事するフリン氏とプーチン大統領。この映像は全米に何度も流れた(C)EPA=時事

 

 ロックフェラーセンターのクリスマス・ツリーに灯がともり、このまま「ロシア疑惑」の解明もはかばかしい進展のないまま年が暮れるのかと思っていた矢先の12月1日、ロバート・ムラー特別検察官は、マイケル・フリン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を連邦捜査局(FBI)への虚偽供述罪で訴追したと発表した。「ムラーよ、ついにやってくれた!」と快哉を叫びたい気持ちだった。

 フリンはその朝、首都ワシントンの連邦地裁に出廷し、「有罪です」とのひと言で判事に偽証罪を認めた。

 これによって、被告は特別検察官の捜査に全面的に協力することになった。5月から始まったムラーによる「ロシア疑惑」の捜査は一挙に核心に迫っていく勢いである。

 フリンは特別検察官が訴追した4人目にあたる。これまでにトランプ陣営の元選挙対策本部長であるポール・マナフォートや側近のリック・ゲイツが起訴された。2人はマネーロンダリングや脱税などの罪状に対し、無罪を主張。元外交顧問のジョージ・パパドポロスは、ロシア政府との繋がりがある当局者との接触をめぐり、FBIの尋問で偽証したことを認めた。

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