疑惑にどこまで迫れるか、全米ばかりか世界が注視している(モラー特別検察官)(C)EPA=時事

 

【ワシントン発】ドナルド・トランプ大統領によるジェイムズ・コミー連邦捜査局(FBI)長官更迭を受け、今年5月に2016年米国大統領選挙へのロシア政府による干渉疑惑と、トランプ陣営のロシア政府との共謀の有無に関する「ロシアゲート疑惑」の捜査に当たる特別検察官に、ロバート・モラー元FBI長官が任命されてから半年以上が経過した。11月初旬のトランプ大統領のアジア5カ国歴訪や、第115議会における優先法案である税制改正法案の審議にメディアによる大きな焦点が当てられてきたが、ここ1カ月半の間に捜査は大きな進展を見せており、「ロシアゲート疑惑」の核心へと迫りつつある。

相次ぐ訴追

 捜査が新たな段階を迎えることになったのは、10月30日であった。2016年大統領選挙キャンペーンで一時トランプ選対本部長を務めていたポール・マナフォート氏と、同氏のビジネス・パートナーのリチャード・ゲイツ氏を、マネーロンダリング(資金洗浄)や脱税など12の罪状で大陪審が起訴したと、モラー特別検察官事務所が発表した。モラー氏の特別検察官就任後、「ロシアゲート疑惑」を巡る捜査での初の訴追となった。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。