2018年石油価格を動かす「5つの要因」

執筆者:岩瀬昇2017年12月15日
アバディーン沖にある北海油田掘削施設。ここから採掘された原油は国際価格のベンチマークの1つとなる(C)AFP=時事

 

 2017年12月も半ばとなり、ロンドンはすっかりクリスマスモードなのだろう。多くのビジネスマンが家族とともに楽しいクリスマスを過ごすべく、年内の仕事を片付けるために忙しくしている。

『フィナンシャル・タイムズ』のエネルギー市場担当記者David Sheppardもそんな1人なのか、早くも来年の石油価格を動かすであろう要因を5つ挙げて、記事を書いている(Five main drivers of oil prices in the coming year:around 9:00am on 13th Dec. 2017)。文末で、同僚のAnjli Ravalが追記する、と書いているが、骨格が変わるとは思えないので、この記事をそのまま紹介しておこう。

「パイプライン」修復に注目

■OPEC(石油輸出国機構)/非OPECの協調減産により、今年の原油価格は大きく動いてきたが、北海原油供給に大きな影響を持つ英国最大のパイプラインが(修理のために)停止され、ブレント原油(かつては北海で採鉱されるブレント原油のみだったが、生産量が減少したため、他のフォーティーズ、オズバーグ、エコフィスク原油を含む人工的な価格指標)価格は、2015年以来初めて1バレルあたり65ドルを超えた。2018年が近づいている今、先行きの展望は不確実性の雲の中にいる。減産を終了し、生産量を元に戻せる日が来ると見ているOPECとロシアの同盟にとっては、米国の「シェールオイル」が急激に増産されると予測され、再び負担がかかるかもしれない。

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