1月1日、「新年の辞」を発表する金正恩党委員長[KCNA VIA KNS](C)AFP=時事

 

 韓国と北朝鮮は1月9日、板門店の韓国側地域にある「平和の家」で南北高位級会談を開き、(1)北朝鮮が2月9日から始まる平昌冬季五輪に参加する(2)南北の軍事的緊張を解消するために軍事当局者会談を開く(3)南北関係改善のために南北高位級会談のほか、各分野での会談を開いていく――などを主な内容とする「共同報道文」を発表した。さらに北朝鮮はこの会談で、黄海での軍の南北ホットラインを稼働させたと通告した。会談に先立った板門店の連絡チャンネル開通に続き、黄海の軍事当局者間のホットラインが正常化した意味は大きい。

異例の進行だった南北会談

 この日の南北会談は約2年1カ月ぶりで、文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後最初のものとなった。

 北朝鮮は朴槿恵(パク・クネ)政権発足以来、韓国を無視し、米国のみを交渉相手にする姿勢を示していたが、今年元日に金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が「新年の辞」で、平昌冬季五輪に参加する用意があり、南北高位級会談も可能との方針を示したことで状況は一変した。北朝鮮メディアはこれ以来、韓国批判をぴたりとやめた。

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