「南北対話」は「オリーブの枝」か(4)ブレが大きいトランプ大統領の「対北姿勢」
2018年1月12日
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が「新年の辞」で見せた、米国に拳を振り上げ、韓国に握手の手を差し伸べるという姿勢は、米韓関係を離反させるための戦術であろう。北朝鮮は韓国に対して、同胞であるわれわれと手を組むのか、米国と手を組むのかはっきりしろと韓国を揺さぶると同時に、米韓同盟にくさびを打ち込み、離反を誘導していると見られる。
金党委員長の「新年の辞」に対する米国の反応はどうだっただろうか。
米韓関係離反へのくさび
ドナルド・トランプ米大統領は昨年12月31日夜(米東部時間)、「新年の辞」について記者団に問われ、「様子を見よう」と静観する姿勢を示した。
その後、トランプ大統領は1月2日朝にツイッターに、北朝鮮が南北関係改善に意欲を示したことについて「制裁や『他の』圧力が北朝鮮に大きな影響を及ぼし始めた。兵士は危険を冒して韓国に逃げている」「ロケットマンは今や、韓国と初めて対話をしたいと望んでいる。恐らく良いニュースかもしれないし、そうでないかもしれない。様子を見てみよう!」と書き込んだ。北朝鮮が南北対話に向かったのは自分の強硬姿勢の結果だと我田引水的に自己評価しながら、北朝鮮が南北対話に向かっていること自体に対する批判はなかった。「他の」という言葉を強調したのは、中国を指す意味と見られた。
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