今は堅調な株価だが……(C)時事

 

 株価が堅調だ。2017年末の日経平均株価は2万2764円94銭と、2016年末の1万9114円37銭を上回った。6年連続で前年末の終値水準を上回る「陽線」となった。2016年はかろうじて前年を上回ったが、2017年は3650円も上回る大幅高となった。年末の株価水準としては26年ぶりの高値である。

 米国の株価が年明け以降ほぼ上昇していることが追い風になっており、国内景気の先行きへの期待感も株価に表れているとみられる。発足して5年を迎えた安倍晋三内閣が掲げてきた「デフレ脱却」がようやく現実味を帯び、首相が訴え続けた「経済好循環」も実現しそうな気配になってきたことがある。

 では、いったい、誰が日本株を買っているのだろうか。

「ディーリング相場」の色彩

 昨年末に日本銀行が発表した資金循環統計によると、昨年9月末の家計の金融資産は1845兆円と過去最高を更新した。いわゆる「個人金融資産」として注目されてきたもので、増加を続けている。金融資産の増加を背景に、「個人」が株を買い増しているのだろうか。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。