「イスラム国崩壊」で仏政府が困惑する「元過激派」の帰還

クルド人に拘束されたエミリー・コニグ。「イスラム国のリクルーター」と言われていた　

（C） AFP＝時事

　シリアとイラクにまたがる地域を支配してきた「イスラム国」（IS）の事実上の崩壊に伴い、欧州各国から参加していたイスラム過激派の若者やその家族の動向が、現実の問題として浮上している。かなりの人数はすでに戦闘で死亡したと見られるものの、クルド人勢力に拘束されるケースも最近相次いだ。母国への帰還を望む者が少なくないという。

　もっとも、彼らは欧州社会への再適応に苦労すると予想される。帰国後に過激思想をまき散らしたり、テロの準備にかかわったりする懸念も拭えない。法的にも政治的にも、難しい課題となりつつある。

「リクルーター」の拘束

　正月早々、「イスラム過激派の女性お尋ね者ナンバーワン」拘束のニュースがフランス国内を駆け巡った。クルド人勢力が管理するシリアの難民キャンプに10人ほどのフランス人がいたが、その中にエミリー・コニグ（33）が含まれていると判明したからだ。IS支配地域からウェブを通じて戦闘員の勧誘を繰り返し、「イスラム国のリクルーター（勧誘員）」と呼ばれた女性である。

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