東地中海に浮かぶイスラエルのガス掘削施設。産出ガスはエジプトに集約される? (C)AFP=時事

 

 2017年春、中東に転勤となった某メディアの若い友人に「レバントと呼ばれる東地中海地域の石油・ガス資源の動向に注目し、機会を見て現地から発信してください」とお願いをした。日本から遠く離れた地域であるため関心を引くことが少ないのだが、歴史的背景もあり、世界でも数少ない探鉱調査が行き届いていないところだからだ。数年前からいくつかのガス田が発見されており、今後地域が安定し探鉱活動がさらに進むと、将来のエネルギー絵図を大きく変える可能性を秘めている。

 広範かつ鋭く深い分析で知られる英国人エネルギー専門家で、『Financial Times』(FT)に定期的に寄稿しているニック・バトラーが 「A power shift in the Middle East」と題するコラムを書いている(2018年1月15日14:00 Tokyo time)。イタリアの「エニ」社がオペレーターを務めている東地中海最大のガス田「ゾフル」の生産が開始された、これが引き金となって近い将来、エジプトの地位が向上し、トルコが敗者になる、という分析だ。

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