ただの「暴露本」ではなかったようだ (C)EPA=時事

 

 目が覚めたら零下15度という100年ぶりの超大寒波に襲われたニューヨークの新年がマイケル・ウォルフの新刊『炎と怒り』(原題『Fire and Fury』)の評判で持ちきりになったことは、日本でもしっかり報道されたらしい。

「トランプ政権の内幕」

 発売日の1週間前、雑誌に抜粋が掲載されただけで、これだけ巨大な反応を呼び起こした本など、前代未聞である。「トランプ政権の内幕」と副題のついた「暴露本」であることは間違いないが、ホワイトハウスに頻繁に出入りした著者が、大統領や側近に18カ月かけて200人以上ものインタビューをしてまとめたというだけあって、ただの暴露本とは言えないのだろう。

 どこまで裏付けの取れた事実に基づいているのか疑問ではあるものの、ホワイトハウスにかなり食い込んでいないと、とても掴めない詳細な逸話にあふれている。インタビューは録音したのかと問われて、著者はその多くをしていると語っている。マイケル・ウォルフという、大手メディアではほとんど知られていないジャーナリストが、どうやってホワイトハウスにそうも簡単に入り込めたのか、何よりわたしは気になった。

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