対中東政策が日本外交の「6本目」の柱に

執筆者:池内恵2018年1月22日

 1月22日に召集された第196回国会の初日、河野太郎外相が衆参両院に向けた外交演説を行った。【演説テキスト】【演説の映像

「6本目」の柱に対中東外交が

 演説は冒頭で、第2次世界大戦後のリベラル国際秩序が揺らぐ中、この国際秩序に裨益(ひえき)してきた日本が支えていくと宣言し、続いて北朝鮮に対する圧力強化を訴えるなど、安倍政権の基本姿勢を踏襲しているが、「河野色」が鮮明に出た部分がある。

(なお余談だが、リベラル国際秩序を支える主要な勢力としての安倍政権の役割は、リベラル国際主義の理論家ジョン・アイケンベリー・プリンストン大学教授によって『フォーリン・アフェアーズ』誌上で高く評価されているほどであり、国際的には安倍政権は外交的な「リベラル派」「国際主義」の残された数少ない孤塁として認識されている。G. John Ikenberry, "The Plot Against American Foreign Policy: Can the Liberal Order Survive?" Foreign Affairs, May/June 2017

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