これでも「日立」は英国「原発事業」を強行するのか
2018年1月24日
東芝を破綻の崖っぷちまで追い込んだ原子力事業子会社(当時)「ウエスチングハウス(WH)」の、米連邦破産法11条(チャプター・イレブン)申請からまだ1年足らず。安倍晋三首相率いる日本政府は、原子力産業の幻影をいまだに追い続けている。
年明けから相も変わらぬ「バラ色の原発」を想定する政策が目白押しで、資金難に悩む英原子力発電所新設事業に日本の官民で1兆円超の投融資を実施する支援プランについて、『朝日新聞』が1面トップで報じたのは1月11日のことだった。また同20日には、原発向け濃縮ウランを製造する欧州企業を、国際協力銀行(JBIC)が米社と共同で買収する交渉を進めていることを『日本経済新聞』がスッパ抜いた。世界的な退潮に拍車が掛かる原発ビジネスを一手に支えようとする安倍政権。欧米官民が忌避する原子力ビジネスのリスクを背負わされるのは、結局日本国民になりそうだ。
政府全額保証のプロジェクト
1兆円超の官民融資が検討されているのは、日立製作所傘下の英ホライズン・ニュークリア・パワー社(グロスターシャー州、以下ホライズン社)が、英中部ウェールズ地方のアングルシー島で進めるウィルファ・ニューウィッド原子力発電所の新設プロジェクト。日立製の出力130万キロワット級改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)を2基設置する計画で、2019年の着工、2020年代半ばの運転開始を目指している。
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