本人ばかりか共和党にも「逆風」が……(C)AFP=時事

 

【ワシントン発】前回本欄に「『共和党優位』でも『反トランプ追い風』の民主党が拮抗する上院議員選挙『展望』」(2018年1月19日)と題して寄稿した 。本稿では、野党・民主党が奪還する可能性が上院よりも高いと見られている下院議員選挙に焦点を当てて分析したい。

 上院議員選挙は、定数100のうち改選議席数が33となっており、同時にミネソタ州選出上院議員補欠選挙も行われるため、34議席となる。このうち、民主党の改選議席数は26議席であるのに対して共和党は8議席で、改選議席数の点では民主党が守勢を強いられる選挙となる。

 これに対して、下院の現在の議席構成(定数435議席)は、共和党238議席、民主党193議席、空席4議席となっており、民主党が過半数の218議席以上を獲得して2010年以来8年振りに多数党の立場を奪還するためには、25議席以上の純増が不可欠となる。

 こうした中、2018年11月の中間選挙を控え、現職共和党下院議員に異例の事態が生じつつある。

不出馬の理由

 と言うのも、現時点ですでに現職共和党下院議員のうち合計30名もが不出馬を表明しているのである。不出馬表明は1月に入ってからも相次いでおり、日本に関連のある有力議員2人も不出馬表明をしたばかりである。1人は、現在、下院外交委員長の要職にあり、対アジア政策でも日米同盟の重要性を訴え、米議会において大きな発言力を持っているエド・ロイス下院議員(カリフォルニア州第39区選出)であり、1月8日に公表した声明の中で、今期限りでの政界引退の意向を明らかにした(同下院外交委員長の声明参照)。

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