「MeToo」運動に異議申し立てをしたカトリーヌ・ドヌーブ (C)AFP=時事

 

 米ハリウッドの大物プロデューサーのセクハラ問題を契機に、米国では「MeToo(私も)」運動が広がっているが、この運動に水を差すように、女優のカトリーヌ・ドヌーブをはじめ芸術家、編集者、ジャーナリストなど約100人の女性が、仏『ルモンド』紙に「しつこい誘いや不器用な口説きを、性犯罪と同一視するのは間違い」と公開書簡を発表した(抄訳は後掲)。これに対して欧米では賛否両論が沸き起こり、文化論争となっている。

「行き過ぎ」の声をあげたドヌーブ

 この書簡に署名した女性は100人を超え、カトリーヌ・ミレー(作家)、サラー・シーシュ(作家、心理療養士)、ペギー・サストル(ジャーナリスト)、キャシー・アリウ(キュレーター)、グロリア・フリードマン(アーティスト)、ブリジット・ラーエ(ラジオ司会者で元ポルノ女優)ら、社会的に知られた名前が並ぶ。しかし何といっても、あのドヌーブが加わっていることが注目を引いた。

 公開書簡は、米国でのゴールデン・グローブ賞授賞式(1月7日)の2日後に掲載された。同授賞式では「MeToo」運動や、性的暴力に沈黙している時間はもう過ぎたという「Time’s Up」運動への連帯が事実上のテーマとなり、女優、俳優らがセクハラへの抗議を表すため、飾り気のない黒いドレスや服で参加。登壇する人たちのほとんどが、スピーチや謝辞でセクハラ問題に触れた。

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