セーフティネットの網の目が次第に大きくなる?(日本弁護士連合会HPより)

 

 安倍晋三政権の弱者切り捨て政策に拍車がかかっている。しかも、政策そのものがあまりにもチグハグなのだ。

 昨年末、政府は2018年度予算において、生活保護費のうち食費や光熱費などの生活費にあたる「生活扶助費」を引き下げる方針を打ち出した。3年間かけて国費を約160億円削減する方針だ。

 厚生労働省の推計では、受給世帯の3分の2を上回る67%が減額となる。65歳以上の単身世帯では76%が、子どものいる世帯でも43%が減額となる。

政策のパラドックス

「生活扶助費」の支給水準は、5年に1度見直されることになっている。その見直し基準は、生活保護を受けていない一般世帯で年収が下位10%の層(いわゆる低所得世帯)と生活費が均衡するように決められている。

 厚労省が世帯類型ごとに低所得世帯と均衡する扶助額を算出したところ、特に多人数世帯や都市部の世帯で現在支給されている扶助額が、同じ類型の一般低所得世帯の支出より高かった。このため、「生活扶助費」が引き下げられることとなったのである。

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