〇八年三月期までの三カ年にわたる経営改革プランを終えた西武ホールディングス(HD)だが、結果は「有利子負債の削減こそ一年前倒しで達成できたが、収益力の回復は未達成」(同社幹部)。就任当初は「〇八―〇九年度の再上場を目指す」としていた後藤高志社長も、六月の株主総会では明確な答えを避けた。 グループの足を引っ張っているのがプリンスホテルだ。話題になったのは日教組教研集会の会場使用拒否ぐらいで、三月期決算は最終損益で赤字を計上、今期も赤字になる見通し。「グループ総帥だった堤義明氏の方針で、長年、大卒を採用してこなかったことに加え、イエスマンばかり育ててきたため、有為な人材がいない」(同)ことが理由ともいわれる。 こうした状態に痺れを切らしたのが、筆頭株主の米投資ファンド、サーベラス。再上場を機に保有する西武HD株を売却し投資回収を図る目論見が、いつまでも実現しないからだ。サーベラスもサブプライム問題の影響を受けており、損失穴埋めのために早急に投資回収をする必要に迫られている。西武HDの再上場にメドが立たなければ「他の投資ファンドなどへの同社株売却も検討せざるをえない」(サーベラス幹部)という。

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