含蓄のある1行を載せたFTの社説(FTサイトより)

 

 さらっと書いているが、これが石油開発事業の本質をえぐり出している表現だな、と思わせる1行があった。今朝(東京時間2018年2月2日午前3時頃)、 『Financial Times』(FT)のウェブ版にアップされた「The remarkable revival of US oil production」という社説の中の1行である。

 シェールブームによってアメリカの原油生産量は1970年の最高水準に匹敵するまで増加している、だが政策当局者は安心してはいけない、価格高騰の引金になるかもしれないし、排出ガスを増加させるかもしれないからだ、という論調のなかで、次のように記している。

「シェール産業はたかだか10年の歴史しかない」

 不動産業界でよく「千三つ」と称されるように、石油開発事業も同様、不確実性の高いものだ。地下に石油・ガスがあるかどうかを調査する「探鉱」作業から始まり、「開発」「生産」段階に移っても、多くの不確実性に取り巻かれている。したがって、時間をかけて行われる現実作業の積み重ね、経験・知見が重要なのだ。

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